2019/01/08
腰痛は日本人の訴える症状(有訴率)では一番多い症状で、生涯において日本人の8割以上が腰痛を訴えます。二本足で歩く人間にとって腰痛は宿命的な病気とも言われています。背骨は25個の椎骨(ついこつ)が連結し、それを周囲の靭帯・筋肉・椎間板・関節などが支えています。いわば積み木細工のように不安定でゆがみやすい構造になっているわけです。ことに腰は上半身の重さを支え、さまざまな動作の基点ともなるために腰痛をおこしやすいのです。
腰が痛くなることをすべまとめて私たちは『腰痛』と呼んでいますが、その種類はさまざまです。
すぐに検査や治療をしなければならないもの、様子をみる(経過観察)でよいものもあります。
腰痛の原因として
脊椎に原因のある腰痛
1:加齢・変性によるもの
(変形性脊椎症、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症、圧迫骨折など)
2:椎間板によるもの(椎間板ヘルニア、椎間板症など)
3:感染症(化膿性脊椎炎・椎間板炎、腸腰筋膿瘍など)
4:悪性腫瘍(骨転移など)
心因性の腰痛
ストレス、家庭・社会的環境因子(仕事、人間関係など)が関与するもの
うつ病など精神神経疾患
姿勢性または筋性腰痛
同じ姿勢を長く続けていると強くなり、身体を動かすと軽くなるが、疲れるとまた痛くなる(運動、仕事などによる筋性疲労、腰椎前彎の増強・側彎変形など)
内臓疾患
胃潰瘍など消化器疾患、胆嚢炎、胆石症、膵臓疾患、尿管結石、大動脈瘤、 更年期障害、子宮内膜症などあります。
腰痛の約8割はレントゲンなど画像検査では原因の特定できない「非特異的腰痛(腰痛症)」と言われています。生活習慣・社会的環境調整、ストレッチ・運動訓練などで改善が期待できると考えられます。
腰痛治療には、安静、装具療法(コルセットなど)、薬物治療、ブロック注射、手術療法、理学療法(温熱治療、牽引、運動訓練など)、生活改善などがあります。腰痛の原因を正しく把握し治療を開始することが大切となります。